爆煙が収まる頃合いを見て二人は鳥に乗ったまま地面に降りた。
爆発のあった場所は上で見ていたよりもひどい状況になっていてデイダラは内心少し焦った。
飛段が埋まっている穴を塞いでいた岩は粉々に砕け散っていて、大きな穴がぽっかりと顔を見せていた。
―やばい。やり過ぎたか?
鳥から降りたデイダラはそろそろと近づき穴を覗き込んだ。
「おーい、飛段。いるのかい?うん?」
・・・
しかし返事は無かった。
更によく覗き込むが、飛段の欠片すら見当たらない。
とうとうデイダラは焦ってイタチを呼ぼうと振り向いた。
「イタチッ・・・!」
「デ~イ~ダ~ラ~ちゃ~ん・・・」
振り返ると視界いっぱいに血まみれの生首があった。
「ぅんぎゃあぁぁぁぁ!!!」
デイダラは思わず後ろにのけぞり、そのままついさっきまで覗き込んでいた穴に転げ落ちて行った。
土埃にまみれ、打った頭を抑えながら地上を見上げるとイタチとイタチの持っている生首・・・もとい飛段がこちらを覗き込んでいた。
「ゲハハハハ!!デイダラちゃんダッセェー!」
悪戯が成功したのが余程面白かったのか飛段はゲラゲラと笑っていた。
「飛段!!テメェ何しやがる、うん!!」
デイダラは穴に落ちた醜態を笑われ顔を真っ赤にして怒鳴り返した。
醜態を晒した上、その現場を何より嫌うイタチに見られた事が余計デイダラの癪に障った。
「オイオイ、何しやがるはこっちのセリフだっつーの。いきなりフッ飛ばしやがって。パーツがどっか行っちまったじゃねーか」
デイダラの怒りをたいして気にもせず、ため息混じりに飛段は言った。
そのことに対して若干の罪悪感を感じていたデイダラはう、と言葉に詰まった。
「飛段の首はそこに落ちていてな。拾ってお前に言おうと思ったら何故か叫び声を上げて落ちて行ってしまった」
ここでようやくイタチが口を開いた。
デイダラは穴をよじ登りながら再び赤面し、うるせーと小さく呟いた。
穴から出ると、イタチは飛段の首をデイダラに託し、どこかに向かって歩き出した。
「おい、どこに行くんだ?うん」
「残りのパーツを集めてくる。パーツにも一応チャクラが流れているから写輪眼を使えばどこにあるか分かる」
そう言ってスタスタと森の中へ入って行った。
飛段はよろしくなー、などと笑顔で見送っていた。
残されたデイダラは、イタチが帰ってくるまで休憩とばかりに地面に首を置き、飛段の目線に合わせるように座りこんだ。
「お前の体も難儀なもんだな、うん。生きてるが・・・パーツだけじゃ動かないなんてよ」
「あー、首から離れるとオシマイ。動かす命令出すのは脳みそだからよ。繋がってねぇと動かねぇんだわ」
なんとあの飛段が自分の体の特性についてちゃんと理解しているとは。
デイダラは驚愕と感心で目を丸くした。
「へぇ・・・お前一応理解してたんだな、うん」
「角都が言ってた。ゲハハ」
やっぱり飛段は馬鹿だった、と今度はがっくり項垂れることになった。
感心して損した、とあぐらをかいた自分の足に肘をつき、頬杖した状態でデイダラは目の前の生首と組んでいた相方の気苦労を察しようとして、辞めた。
(角都は・・・)
この後数刻もすれば知ってしまう事実に飛段はどうなってしまうのか想像してデイダラは顔を曇らせたが、飛段はそれに気づかなかった。
久々に更新
飛段の体にチャクラが流れてるのかは公式的にどうなのか分かんないですけど、そうじゃないと発見できないので流れてることにしてください
そういうところ御都合主義なんで違うでしょ、と思ってもスルーして下さると助かります
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